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仔鬼造物茶会 Act 26

「それは…嬉しいことね!」
そう言ってピスケスは手に持つ短剣から青い火球を撃ち出した。
琅はキヲンの腕を引いたままその場から走り出す。
ピスケスは倉庫の屋根の上から飛び降りるとそのまま背中の翼で滑空し、琅たちを追いかける。
琅はキヲンを連れて倉庫街を駆け、途中の十字路の角を曲がったが、その途端目の前に何かが投げ込まれて辺りが真っ白な煙に包まれた。
「これは…」
煙幕!と琅が叫んだ時、琅に腕を掴まれていたキヲンは何者かに左腕を引っ張られて琅の手から離れた。
「きーちゃん!」
煙の中から出た時、キヲンを琅から引き離した人物はそう声をかける。
キヲンが顔を上げると目の前にはジャンパースカート姿のコドモ…かすみがキヲンの腕を握っていた。
「かすみ⁈」
どうして⁈とキヲンが聞くとかすみは、きーちゃんの魔力を辿ってきたのと返す。
「でもなんでこんな所に?」
「あ、それは話すと長いことに…」
キヲンがそう言った時、煙の中で琅は硫ーっ‼︎と叫んだ。
琅は自分の手から離れたキヲンを探そうとするが、突然後ろから誰かにぶつかられて地面に倒れた。
琅は起きあがろうとするが胸を何者かの足で踏みつけられ立てなくなった。

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センス

私は無力だ。

誰かと戦っても勝つことはないだろう。

あなたにあって私には無いもの。

しかし、

守りの力なら人の何倍、いや、何千倍ある。

私にも唯一誇れることがあった。

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Modern ARTists:威霊遣彩能媛 その⑧

半人半蛇の怪異“清姫”の『速度』は、尾の末端を『起点』とする。そこから関節の一つ一つを通り抜ける毎に増強され、人身の脊椎を通過して更に威力は増大する。最終的に合計10m近くの全身が完全に伸長し、『速度』と『威力』を最大限に乗せた突進は、召喚時の『クリティカル』による出力強化が合わさることで、最高速度は音速の5倍超、威力にしておよそTNT換算600t分に届くほどの破壊力を発揮し得る。更に“清姫”の特異性によって、その絶大な破壊力と速度によって発生する余波は周囲に影響する事無く、対象ただ一点にのみ作用する。
「かっ…………けほっ、ぅ、ぁぇ……? あ、ぅうぁ……?」
直撃の瞬間、清姫の接近に直前で気付いたカミラは、魔力の放出を盾にすることでダメージの軽減を試みていた。しかし、清姫の与える破壊力を耐えきることはできず、蓄積した魔力の全てを放出してようやく、致命傷程度にまで威力を減衰させたのだった。
「いぁ……ぃ……ぇ? あ、ぅぅ……ぉえ……?」
呼吸もままならず、痛覚反応も追いつかないまま、カミラは唯一自由の利く目だけを動かして、ヒトエを探し求めていた。
「ぃ……おぇぇ……? や……やあぁ…………なん、ぁぅ……?」
ヒトエは双剣を握った〈髑髏〉を盾に、慎重にカミラに接近する。
「どうだ! 私の“清姫”は! 完璧に印を組めたから、完全に物質化して吸えないでしょ!」
清姫を連れて近付くエイリには目もくれず、カミラは地面を這いずってヒトエに向かって行った。