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仔鬼造物茶会 Act 26

「それは…嬉しいことね!」
そう言ってピスケスは手に持つ短剣から青い火球を撃ち出した。
琅はキヲンの腕を引いたままその場から走り出す。
ピスケスは倉庫の屋根の上から飛び降りるとそのまま背中の翼で滑空し、琅たちを追いかける。
琅はキヲンを連れて倉庫街を駆け、途中の十字路の角を曲がったが、その途端目の前に何かが投げ込まれて辺りが真っ白な煙に包まれた。
「これは…」
煙幕!と琅が叫んだ時、琅に腕を掴まれていたキヲンは何者かに左腕を引っ張られて琅の手から離れた。
「きーちゃん!」
煙の中から出た時、キヲンを琅から引き離した人物はそう声をかける。
キヲンが顔を上げると目の前にはジャンパースカート姿のコドモ…かすみがキヲンの腕を握っていた。
「かすみ⁈」
どうして⁈とキヲンが聞くとかすみは、きーちゃんの魔力を辿ってきたのと返す。
「でもなんでこんな所に?」
「あ、それは話すと長いことに…」
キヲンがそう言った時、煙の中で琅は硫ーっ‼︎と叫んだ。
琅は自分の手から離れたキヲンを探そうとするが、突然後ろから誰かにぶつかられて地面に倒れた。
琅は起きあがろうとするが胸を何者かの足で踏みつけられ立てなくなった。

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