「あれ何?」
キヲンが夕焼けに染まる空を指さす。
ナツィたちはキヲンが示した方を見るが、空には一番星が輝いているだけだった。
「…どこ?」
何もいないぞ〜と露夏は目を細める。
「え、そんな」
ボクには見えたよ?とキヲンは露夏の方を見やる。
「空飛ぶ羽の生えたなんかが…」
そう言いながらキヲンは再度空を見上げるが、空にはねぐらへ変えるカラスたちが飛んでいるくらいだった。
「あれ?」
なんもいない…とキヲンは呟く。
「カラスのことじゃね?」
ナツィは呆れたように言うが、キヲンはそうじゃないもん!とナツィの方を見て頬を膨らませる。
「ハハハ、いいじゃねぇか」
ナハツェーラーのうさぎのお友達、とピスケスの隣を歩く赤髪にキャップ帽のコドモがナツィたちの方を見て笑う。
ナツィはおい露夏と相手を睨んだが、ナツィの隣のジャンパースカート姿のコドモがケンカしないでよ〜と宥める。
それを聞いてナツィはだってかすみ…と不貞腐れた。
その様子を見て長髪にメガネの女はふふふと微笑んだ。
「…それにしても、またみんなで出かけることになるなんてね」
不意にメガネの女が言い出したので、ピスケスはあら寧依と彼女の方を見やる。
「あなたがまたみんなで出かけたいって言い出したからでしょう?」
「まぁそうだけど…」
正確にはきーちゃんが動物園に行ってみたいって言い出したからさ、と寧依と呼ばれた女は苦笑する。
「せっかくだし連れて行ってもいいかなって」
寧依がそう言うと、ピスケスはまぁと笑う。
「あなたもすっかりきーちゃんの保護者ね」
「え、まだまだだよ」
わたしは見習い魔術師みたいなもんだし…と寧依が言いかけた所で、不意にキヲンがあ、と呟く。
皆がそれを聞いて立ち止まり、キヲンの方を見た。