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飛龍造物茶会 Act 22

一方、人工精霊たちの追撃から逃れようとしていたナツィとキヲンは路地裏を走っていた。
しかしキヲンが一定範囲内にいる特定のもの以外の人工精霊に効くように作られている攻撃魔術の影響を受けたせいで、思うように動けず移動速度はあまり上げられなかった。
「な、ナツィ、ちょっと休憩ー」
へろへろになりかけたキヲンがしゃがみ込むので、ナツィは大丈夫かお前と足を止める。
後方にはキャスと目隠しの人工精霊たちが接近しているらしく、キャスのどこだぁ‼︎という声と走っている足音が聞こえていた。
「ナツィごめん、ボクが勝手にどっか行っちゃったから…」
「そんなことはいいからお前、俺の背中に乗れ…」
ナツィがそう言いかけた時、いたぞ‼︎というキャスの声が間近で聞こえた。
振り向くと、ナツィとキヲンの目の前にはキャスと目隠しの人工精霊たちが立っていた。
「もう観念しろ」
お前ら、とキャスは槍を2人に向ける。
キヲンはナツィの脚にしがみつき、ナツィはちっと舌打ちした。

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位置の大切さ

「弱いことではなく古いこと」
物や事が壊れても
「これは弱いんじゃなくて、古かったから、年季が
入ってたからか。だからしょうがない。」

「古いことではなく弱いこと」
物や事が壊れても
「古いから壊れたんじゃなくて弱かったから、
自分の実力不足だから壊れたんだ。」

弱いからとか、古いからとか。
言葉の位置で意味も変わる。
私達も、少し変わっちゃうだけで友情や恋情が
変わって、離れ離れになるのかもね...

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その④

クミの案内に従って、3人は細い路地を奥へ奥へと進んでいく。
「クミちゃん……君の家、随分と奥まった場所にあるね?」
「んー」
サルペンタリウスの呼びかけに、クミは気の抜けた返事を返した。
「あ、とまって」
クミが不意に声を上げる。
「っとと……何?」
「とおりすぎちゃった」
「そっか。どこまで?」
「1こまえー」
「了解」
そう言ったサルペンタリウスが振り返る。
路地から枝分かれした細い道から、体高4mほどの小型アリエヌスが上半身を乗り出していた。
「……は?」
「はぁぁ⁉ なんでまたアリエヌスがいるんだよ! “天蓋”はどうなってんだ“天蓋”はぁ! ズー坊!」
カズアリウスの指示で、ディクロスが蛇杖を構えて突撃した。アリエヌスが完全に身体を出す前に蛇杖の『胴体』部分を巻き付け、その脳天に毒牙を突き刺す。
「食らいやがれ!」
アリエヌスの身体に直接腐食液が注ぎ込まれ、内部から少しずつ崩壊していく。
「ダメ押しだこのヤロー!」
崩れた内部に、蛇杖の口からの火炎放射が放たれる。体内から熱量に晒され、アリエヌスは崩れ落ちた。
「クミちゃん、大丈夫だった?」
「ん。はやくー」
サルペンタリウスの問いかけに頷くと、クミは路地の奥を指差した。

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某所

「市長!マズイことになった!」
男は市長室のドアを蹴破る勢いで開けてそう叫んだ。
「ドムズか…戦線はそこまで悪いのか?そんなもん百も承知だ、私に言うな!マズイことだと?私が市長になってからずっとだ」
しまった、年甲斐にもなく興奮しすぎてしまった…
市長は男から見えないように深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「違うそうじゃねぇんだ。原石のことを勘付かれた、アヴェスにだ!」
「なんだと?」
「アリエヌスがどこから来たのかも知っている雰囲気だった、バレてやがる、石の場所も…多分戻ってきたのはそういうことだ」
この男、いやに興奮しているな?
言葉が繋がっていない、妄想と現実の境が曖昧だ
「落ち着きたまえ、そのアヴァスの名と所属は」
「ケツァルコアトルスのソロウ ・フォルスラコスと名乗っていた、俺はそんなヤツ聞いたことがない…そうだ、ヤツがアリエヌスだそうに違いない!」
「少し頭を冷やしたまえ君…おーい、とりあえずコイツをどこかの部屋に連れてってくれ」
そう言うと黒服たちどこかしこから入ってきて男を羽交い締めにして部屋の外に連れ出した。
「ま…まて…アイツを…アイツを捕まえてくれー!」
しばらくして声が聞こえなくなった後、新しくコーヒーを入れて一息ついた。
「まぁ、念の為な」
そう呟くと市長はキーを叩いていた。