「アンタ、普段駄菓子屋で見ない顔だけど、今日はどうしてここに?」
ネロの質問に、霞さんはあーそれはね、と答える。
「僕、小4の時に寿々谷から引っ越しちゃったんだけど、大学進学を機にこっちの方へ戻ってきてさ」
それでやっと時間ができたから遊びに来たんだ~と霞さんは笑った。
ネロはふーんとうなずく。
「で、これからどうするんだ?」
どっか行くの?と耀平が興味ありげに尋ねると、霞さんはあぁと返す。
「ショッピングモールとか寿々谷公園とか、懐かしい場所を周ろうと思ってるんだ」
霞さんがそう言うと、耀平はそっか~とうなずいた。
「…せっかくなら、耀平くんたちも一緒に行く?」
不意に霞さんがそう提案したので、耀平はえ、いいの⁈と目を輝かせる。
霞さんはうん、いいよ~と返した。
「皆がいればもっと楽しいだろうし」
霞さんがそう言うと、耀平はやった~と飛び跳ねた。
そしてわたし達の方を、皆もいいよな⁇と振り向く。