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磨羯造物茶会 Act 2

「この件については、“学会”の上層部にちゃんと報告するから」
さすがに処分が下るとは思わないが、アンタたちは今後気をつけた方がいいかもね、と老女は目の前のコドモの目を見る。
「わかってるわよ」
私もそういうのは慣れているから、とコドモは微笑んだ。
それを見て老女は…ピスケス、とコドモの名を呼ぶ。
「それとなんだが、最近“学会”の海外支部から連絡があって…」
「それも知ってる」
不意にピスケスは老女の言葉を遮るようにティーカップをテーブルの上に置いた。
「だから私の元に来客があるんでしょう?」
ピスケスはそう言って立ち上がる。
「その来客には、私の邪魔はしないでと伝えておいて」
ね、歳乃と老女にウインクをしてピスケスは小部屋の扉の方へ向かい、扉を開けて廊下へ出ていった。
歳乃、と呼ばれた老女はまたため息をついた。