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磨羯造物茶会 Act 7

「ちょっと下に来客が来てて…」
「来客?」
下は喫茶店なんだから客がくるのは当たり前じゃ…とナツィは言いかけるが、かすみは違うの!と遮る。
「なんか、上に用があるみたいで…」
「上⁇」
かすみの言葉にナツィは訝しげな顔をした。
「なに、ここの主人に用があるんじゃないのか?」
ナツィはそう聞くが、かすみはううんと横に首を振る。
「マスターには用がないんだって」
そもそもマスター今出かけてるし…とかすみは不安げに俯く。
「知らない人だから下手にみんなの溜まり場へ上げるのはちょっと…」
かすみがそう呟くと、ナツィは…で、俺に助けを求めにきたのか、とかすみにジト目を向けた。
かすみは、まぁうん…と頷く。
するとナツィは…仕方ないな、と言ってイスから立ち上がった。
「めんどくさいけど俺が行く」
そしてナツィは物置の扉から廊下へと出た。
「あ、ボクも行く〜」
キヲンもそれに続き、かすみも扉から廊下へ出て階段を降り始めた。
物置には露夏だけが残った。