もう、貴方の声に言葉にドキドキすることはなくなったんだ。不思議とね。
今までありがとう
「お前名前なんていうの?」
おれは露夏っていうんだけど、と露夏はカウンターに身を乗り出しつつ聞く。
朱色の髪のコドモは少し嫌そうな顔をしたが、暫くして、カプリコルヌス、と名乗った。
「カプリコルヌス?」
なんかそこのナハツェーラーみたいな長い名前だな、と露夏は呟く。
カプリコルヌスはなにか文句か?と露夏を睨み、露夏はいやいやそうでもないさと笑ってごまかした。
…と、会話がひと段落したところで、それにしてもとナツィが切り出す。
「お前、結局なんで上の物置に用があるんだ?」
てか、なんでここに物置があることを知っている⁇とナツィはカプリコルヌスの目を見る。
カプリコルヌスは別にいいだろうとナツィの目を見返した。
「お前たちには関係ないのだから」
「はぁ?」
なんだよソレとナツィは吐き捨てる。
「俺たちが溜まり場にしている物置に用があるとか絶対に俺たちの内の誰か絡みの用なのに、俺たちには関係ないなんて」
「なに、文句か?」
「ああそうだよ文句だよ‼︎」
カプリコルヌスに煽られて、ナツィは思わず声を荒げる。
どれも素晴らしい。
清掃員、国土交通省、ガス屋さん、お笑い芸人、医者、ゴミ回収車、占い師、ラジオ、学校の先生…数えたらキリがないけれど、
どれも、素晴らしい仕事。