ナツィがカプリコルヌスに騎槍を突きつけられて暫く。
ナツィとカプリコルヌスはそのまま喫茶店の外に出て、目の前のひと気のない路地で約10メートルの間を開けて向かい合った。
そしてナツィの後方ではかすみ、キヲン、露夏が静かにその様子を見ていた。
「だ、大丈夫かな…?」
なんかよく分からないけど戦いを挑まれて、それをナツィが受けちゃってこんなことになっちゃったけど…とかすみが不安そうに呟く。
「大丈夫だよかすみ」
ナツィめっちゃ強いし、とキヲンは明るく返す。
「あのカプリコルヌスって子がどんな子か分からないけど、きっと平気!」
「だといいんだけど…」
かすみは暗い面持ちで俯く。
それを見て露夏はだーいじょーぶだって!とかすみに笑いかけた。
「その内かすみの保護者も帰ってくるだろうし、本当にヤバくなったらピスケスの保護者に電話かければいいんだからさ」
「いやそうだけども」
露夏の楽観的な言葉に、かすみは苦笑いする。
何かが触れた それだけで 君は世界を知る
傷が残った それだけで 私は自分を知る
誰かの手が そっと重なった それだけで 私は孤独じゃないと知る
身近な物は語る 言葉よりも 深く 沈黙よりも 強く
私たちは この皮膚で 生きている