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魂の叫び。

私の体のどっかに隠れている魂。
私の魂が叫ぼうとしている。
自分の殻を破るというように、魂も殻を破ろうとしている。
あーーーーー!!!魂は叫びたがっている。
叫びたがっている。
あまり人と話せず、孤独感を感じ、どんどん蓄積しているのか…
受験の作文がうまく行かず焦りを感じて、泣きそうになっているのか…
叫びたがっているのかもしれない。
わからないけど。
魂は本当の自分の姿なのか?
あーーーーーーーーー!!!
もうすぐ魂が叫ぼうとしている。
超音波ででけえ声で。

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磨羯造物茶会 Act 29

「わたしは、今度こそお前と決着をつけようとっていうんだ」
「あらあらこだわり強いこと」
「お前だってそうだろう」
ピスケス!とカプリコルヌスは後ろに飛び退き、今度は短剣から火球を撃ち出す。
ピスケスは背中に白い翼を生やして飛び上がってそれを避けた。
そしてピスケスは再度短弓を左手に生成してカプリコルヌスに向ける。
カプリコルヌスは短剣を上空に向け、その切っ先に魔力を込めた。
お互いがそれぞれの得物を相手に向け、とどめの一撃を加えようとする。
しかしその時、待ちなさい!と誰かの声が飛んできた。
人工精霊たちがその声の主の方を見ると、かすみたちの後ろに喫茶店の主人…かすみの保護者が立っている。
誰もが驚いた顔で彼を見る中、かすみの保護者はすぐににっこり笑って続けた。
「なにがあったのかは知らないが、こんな道端で戦うのはよくないと思うよ」
いくらひと気がないからって、魔術を使ってドンぱちやるのは危ないからね、とその老人はピスケスとカプリコルヌスに目を向ける。
カプリコルヌスと驚いて地上に降りてきたピスケスは、互いの武器を下ろして顔を見合わせた。