今日一度目は目が合った。
気のせいかもしれないけど、私にはそう見えた。
2度目は隣のクラスに前でのんびりしてた。
私の男友達と話してた。
3度目は後ろから走って通り過ぎていった。
貴方の起こした風がかかった。
4度目は下駄箱が開くのを一緒に待った。
ドキドキしすぎて、寒さを感じなかった。
考えすぎ?
でも、こんなに会えるなんてね。
ああ
私こんなままじゃ不釣り合いだな
ああ
前のあの子ならもっと真っ直ぐだったんだろうな
背中見ながら唇を噛むことが増えた
慣れた言葉や仕草のその全てに
私じゃない方が幸せなんじゃないかって
そんなことがよぎるから
また私は上手く笑えなくなる
「そろそろ日も暮れてきてるし、帰る事にしようか」
霞さんがそう言ってわたし達に背を向けると、えーもう帰るの~‼と耀平が声を上げる。
霞さんはそうだよ~と振り向いた。
「君達だって、そろそろ帰らないと親に心配されるでしょ?」
「まーそうだけど…」
耀平は不満げな顔をするが、霞さんはじゃーあー、と彼に近付く。
「僕の事寿々谷駅まで送ってくれない?」
その言葉に耀平の顔がパッと明るくなった。
「え、いいの⁈」
「うんもちろん!」
ギリギリまで一緒にいたいし~と霞さんは続ける。
「やったあ!」
耀平はそう言って嬉しそうに立ち上がった。
霞さんはふふと微笑んだ。