表示件数
0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 24.ヴァンパイア ④

「”無駄な抵抗”をしなければ、わらわは何もしないわよ」
彼女はそう言ってにんまりと笑った。
「…ひっ」
わたしは声にならない声を上げる。
早く帰りたい気持ちもあったが、ここで抵抗すれば自分の身に何が起こるか分からない。
わたしは渋々、分かったとうなずいた。
するとヴァンピレスはいいわ、と笑ってわたしの腕から手を離す。
そして行くわよ、と言って彼女は交差点を渡りだした。
わたしは黙って彼女に続いた。

平日なのにヴァンピレスに道端で遭遇してから数分程。
わたしとヴァンピレスは、わたしが通う塾の近くにある小さな公園に来ていた。
「あら、ここの公園、ブランコがあるのね」
ヴァンピレスは公園の片隅にあるブランコを見とめると、それに駆け寄ってブランコに乗る。
わたしは早く帰りたいのに、と思いつつ、ブランコの周りの柵に腰かけた。