「ナツィは、優しいね」
「ふぇっ⁈」
驚くナツィを見てかすみは微笑む。
「どうし、て」
「だってナツィは人間のことを想えるから」
だから、優しいとかすみはナツィの頭を撫でた。
「…っ」
ナツィの顔は一気に赤くなる。
「べ、別に優しいっつったって自分が好きな奴限定だからな!」
どうでもいい奴らには、優しくしないしとナツィは続けた。
「別に俺は保護者の爺さんのことなんて、正直どうでも」
「じゃあこの前あの方が危ない目に遭ったときに野良の人工精霊にケンカを売りに行ったのは⁇」
「ちょっ黙れよピスケス!」
ピスケスに突っ込まれたナツィはついそちらを睨む。
ピスケスはふふふふと口元を手で隠し、他の仲間たちも微笑ましくその様子を眺めた。
ナツィは恥ずかしそうな顔をしていたが、やがて足元をまた見やる。
「…まぁそういうわけで、俺は誰かに優しくされるのが嫌でお前らを突き放した」
でも、とナツィは続けた。
「お前らのお陰で、変わってきてる、かも」
「へー、そうなのか〜」
ナツィの言葉に露夏はにやける。
「結局、“事情”っていうのは…」
「うぐっ」
ナツィは驚いたように顔を上げる。
「確かに話の核心まで辿り着いてないな」
「おばあちゃんが大事なのはわかったけど…」
露夏とキヲンもそう不思議がる。
「あらあら、気づいたら話がだいぶ逸れちゃったじゃないの」
ピスケスはそう茶化すようにナツィの顔を覗き込む。
ナツィはべ、別にこの話も重要なんだし…と恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「で、ナツィはどうして構ってほしくないなんて言ったの?」
教えてほしいな、とかすみはナツィに少し近づく。
ナツィはかすみを見て少し顔を赤らめるが、すぐに顔を逸らしてこう答えた。
「それは…その、やっぱり誰かを失うのが怖いから、かな」
うん、とナツィは頷く。
「だって、俺は特別な存在だから人間や他の人工精霊より大事にされるし、それで大事な人たちより長生きしちゃうから…」
大事な人たちは、みんないなくなっちゃう、とナツィは両手の人差し指を突き合わせながら続ける。
「それで昔の大切な主人も、俺を外へ出してくれたばあさんも、いなくなっちゃったから…」
そ、その、とナツィはしどろもどろになり始める。
その様子を仲間たちは不思議そうに見ていたが、かすみだけはナツィの隣にそっと移動してナツィ、と呼んだ。
今年も庭のあれが開花した。
小さな桃の花。
濃いピンクの花が満開っぽく咲いている
わぁちょくちょく緑の葉が混じり始めてる。
でも桃の花が咲きはじめたら春の訪れの合図
今年も咲いた。
毎年恒例の桃の花の時期が
小さい頃は桜なんだか桃なんだかわかんなくて
ずっと桃桜と呼んでいた。
だから桃桜が馴染み深くて
本当は桃だけど、桃桜と呼んでいる
今年も咲いた。桃桜
濃いピンクの花が
もう舞い始める時期かな