『生徒の呼び出しです。1年4組、足立清嘉さん。至急、校長室までお越しください』
放送スピーカーから流れた指示を、清嘉は忠実に実行した。放課後、未だ往来の激しい時間帯の廊下をやや急ぎ足で進み、校長室の扉をノックする。
「失礼しまーす、1年4組足立でーす」
『どうぞ』
引き戸を開けると、高等部校長は自席に着いて入室してきた清嘉を射貫くような眼で見返していた。
「それで、呼ばれたんで来たんすけど……」
「ああ、すまないね。この後部活や用事は無かったかな?」
「それは大丈夫ですけど……俺何かしちゃいましたっけ」
「いやいや、お説教の類じゃないんだよ。ただ、頼みごとがあってね」
「頼み?」
「ああ。“実習”に出てくれる気は無いかい?」
依頼実践演習――通称“実習”。高等部以上の生徒が受注可能な、人外存在や“語部”への対処依頼だ。『基本的には』、提示された依頼の中から希望者が選択して受注する段取りとなっている。
「やりますけど、実践演習って指名制あったんですね」
清嘉の言葉に、校長は渋い顔をしてみせた。
「基本的には生徒の自主性を尊重したいところなのだがねぇ……本事案に関してだけは、君たちが適任だと判断したのだよ」
「はぁ……え、“たち”? 俺以外に誰かいるんです?」
校長が応接スペースを指差す。清嘉が釣られてそちらに目をやると、3人掛けのソファの左隅に、セーラー服姿の小柄な少女が掛けていた。
(セーラー服……ってことは“ダイサン”の子か)
清嘉の通う能力者養成校は、東京都23区某所に建っている。東京に存在する3か所の能力者養成校のうち最古のものであり、学生間では俗に“ダイイチ”と呼ばれているものだ。それに対して少女の制服は、八王子市某所に位置する通称“ダイサン”のものだった。
いつも、笑顔だった
クルクル踊り
掴みどころがなく
みんな道化師のことを
いつもの事かと、馬鹿にして笑ってた
戦乱の中、道化師は皆を笑わせるべく踊っていた
空中からミサイルが飛んだ。
戦乱の中、道化師は自らミサイルに当たりに行き舞い踊った。皆を守る為
希望を失うことは絶対にしたくない。
幻覚と興奮に身を浸して苦しみを満たす。
大多数の感性に虚偽のイデアを抱き寂しさを満たす。
堕ちに堕ちた余命宣告者は、実質的、精神的自殺を行う。しかし生きたいと言う。
一時的なもので希望を見ようとし、蜃気楼を掴もうとする。
異質だろうか。いいや、そんなことはないと私は思う。
君と抱き合うともう
君と抱き合うともう
うれしいな 柔らかいな
ほどけてくな 続けたいな
傷つけあうときも
傷つけあうときも
目をみたいな 逃げたくないな
そしていつか 笑いあいたい
ミルキーみたいに甘い考えが
夜中ボクを飲み込んでた
濁った唾液にレンズが汚れて
なにも見えない 白い部屋の中
キズの舐め合いはもう
キズの舐め合いはもう
最高だな 楽しいな
うそくさいな あたたまるな
気づかないふりはもう
気づかないふりはもう
やさしいな 鏡のなか
ボクにだけは やさしいんだ