私が恋愛なんて、ヘンな話。
「そういうキャラ」じゃないから、
友達にだって言えないよ。
メイクだって全然できないし、
お洒落もヘタクソ。
仕草とか話し方だってまだまだダメダメ。
でも、
誰にも言えないけど、
応援してくれる人もいないけど、
ほんとにひっそり、
あなたに意識してもらえるように、
あなたの自慢になれるように、
ちょっとずつ、ちょっとずつ、
頑張ってるよ。
夢なら大好きって伝えられる
夢なら愛してもらえる
夢ならたくさん触れ合える
だから
どんなに手ひどく言われても
目を覚ますのがつらくても
何度でも
間違って、間違って、間違って、
あなたを夢に見る
私の恋は
虚像なのかな
虚像にこんなに悩まされてるとしたら
虚像に5年間も苛められてるとしたら
あまりにバカらしすぎる
あまりにかわいそすぎる
あまりに無駄すぎるし
あまりに気持ち悪い
ああでも
そうかもね
思春期が生み出した
可愛らしい妄想
虚像 幻想 虚偽
悲劇のヒロイン振ってるだけ
禁断の恋に憧れてるだけ
敬愛と恋愛を履き違えてるだけ
恋愛経験が少ないから
一番近くの男性を好きだって
勘違いしてるだけ
だとしたら
私は本当に
自分を騙すのが上手ね
たまにわたしは
ちょっとだけ事実を隠して話をする
「ずっと片思いしてたんだけどね」
「あの人絶対こっちのこと女として見てないから」
「今日すっごい塩対応されちゃって」
「あーあ、失恋しちゃったなー」
「もしかしてこれ、脈アリかな」
そういうときだけは
普通の恋する女の子になれるから
私の特別はあなただけ
私の頭の中は
起きてるときも
寝てるときだって
あなたでいっぱい
肥大化していく熱で
冷却機なしの頭の中が焼けただれる
喉の奥にずーっとつかえている想いで
眩い仄暗闇の中呼吸困難に陥る
私の特別はあなただけなの
ねえ どうか
私を殺さないで
あなたの特別は私だけ
ずっとそうであってほしいの
そうでありさえすれば
私はこの今際の苦しみの中で
生き続けられる