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墓想造物茶会 Act 38

「なんで…」
「あのおばあさんは病気だったのよ」
急にピスケスが話に割り込んできたので、ナツィの話を聞く3人はそちらに目を向ける。
ピスケスは淡々と続けた。
「ナハツェーラーを引き取った時点で、あのご夫人はもう先が長くなかった」
それでも引き取ったのは、あの夫妻には子どもがいなかったからみたいなんだけどね、とピスケスは呟く。
「最期くらい、子どもがいる生活を送ってみたかったのでしょう」
それでコイツと暮らすことを選んだ、とピスケスは足元に座り込むナツィを見下ろす。
ナツィは膝を抱えて黙っていた。
「それじゃ、ナツィは…」
「アイツはもう先が長くないこと、俺に黙ってたんだ」
入院したときだって、すぐ帰るって言ってたのにとナツィはこぼす。
「それなのに、アイツはいなくなってしまった…」
ナツィは抱えた膝に顔を埋める。
「それに、アイツだけじゃなくて、俺の保護者…あの爺さんも、俺にアイツの先が長くないってこと、黙ってたんだ」
だから裏切られたみたいで、俺は…とナツィは消え入りそうな声で続ける。
仲間たちはナツィの昔話を聞いて、つい沈黙する。
ナツィは膝に顔を埋めたまま震えている。
誰もが続ける言葉を見つけられずにいる中、ふとかすみがねぇ、と尋ねた。