触れた、優しい手は これから先にはないと知って 無条件で愛してもらった時間を それぞれの身体の中に閉じ込めた 笑うと細くなるその目も 長い睫毛も わたしの名前を呼ぶために動いた唇も 全部が、 心にひりひり痛む爪跡を残したことを きっと貴方は知らないんだね 大人になったその掌で 貴方が抱きしめるものが どうか、 嘘偽りのない幸せでありますように。