小春日和の高い空
刷毛で伸ばした綿の雲
澄み始めた柔い空気を泳ぐ
金髪碧眼の少年
それは哀しみの情景であったか
それとも門出であったのか
神の違う私の目では定かじゃないが
赤い唇は満足気であった
両眼の泉は静謐を湛え
その前では喜怒哀楽など
取るには足らぬ
朧めいて脆い空
囀る小鳥の朝の歌
木のてっぺんで目を覚ました
金髪碧眼の少年
それはあの少年であるのか
それとも別の少年であるのか
神の違う私の目では定かじゃないが
赤い頬には生気が満ちていた
両眼の泉は朝日に煌めき
その前では何者であるかなど
取るには足らぬ
少年を頭に乗せた
がっしりと太い木だけが
立ち続ける彼だけが
この世の全てを その瞳に映している