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マネキンの話

「僕の心に色は無いんです」
仮面の下、彼は呟く。
「でもね、僕、傷つかなくなったんです。代償として個性を売り払ったから。」

猿も兎も狸もキリギリスも、
半端な賢さが仇となり、
いつでもプライドを守り抜き
救いようのない持論を吐き散らす。


さぁ変わる日々に、あぁ巡る日々に、
置いてかれて、僕はひとりぼっち。
今変わる日々に、あぁ暮れる日々に、
乗り込もうとせず、指も噛まないでいる。
人の権利がないみたいで
なんとなく寂しい。


「僕の身体は殻だけなんです」
笑いながら彼は涙を流す
「でもね、絶望はありえないんです。代償として希望を売り払ったから。」


誰も彼も、きっと彼女さえ
半端なプライドを庇い続け
いつでも他のことをないがしろにした結果
プライド以外は傷だらけ


さぁ変わる日々に、あぁ巡る日々に、
置いてかれて、いつもひとりぼっち。
今変わる日々に、あぁ暮れる日々に、
列に並べずに、顔を隠している。
まるでマネキンみたいで
なんとなく寂しい。


「必要なのは音楽と殻だけ。あとのことはなんにもいりません」
強がってそう言った彼の目玉。
傷だらけ、光が乱反射していた。


さぁ変わる日々に、あぁ巡る日々に、
置いてかれて、僕はひとりぼっち。
今変わる日々に、あぁ暮れる日々に、
乗り込もうとせず、指も噛まないでいる。
人の権利がないみたい。
なんとなく寂しい。

さぁ変わる日々に、あぁ巡る日々に、
置いてかれて、いつもひとりぼっち。
今変わる日々に、あぁ暮れる日々に、
今更言えずに、気持ち隠している。
人の権利を放棄して、
なんとなく強くなって、なんとなく寂しい。

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