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赤、緑、白、

恋に落ちた赤
初めて君に会ったのは、東京、渋谷、スクランブル交差点、信号待ち
道路を挟んで向こう側、君と目があって
一瞬で、僕は恋をした
交わった青
君に声をかけて、なんとか連絡先をもらって
デートに誘って、三回目
君は曖昧な返事で誤魔化して
僕のこと部屋に誘ったんだよ
その夜、僕は君の足の爪の色を知ったんだ
退屈な緑
それからはずっと君に飼われていた
もう僕はほとんど君の犬だった
君の部屋で起きて、家事をして、君の帰りを待っていたんだ
あのアパートのドアの色、まだ覚えてる
さよならは白
あの交差点から日が経って、いつのまにか炬燵が出る季節になっていた
相変わらず僕は君によく懐いていた
だけど、このままじゃだめだって思ったんだ
君に飼われて、君に懐いて、
でもやっぱりちゃんと僕は君に男として見てもらいたくなって
始めは犬でもいい、なんて思っていたんだよ
結局僕は自分の欲に負けて、君に言ってしまって
今でもよく思うよ、あの時僕があんなこと言ってなかったら、2度目のあの季節を一緒に過ごせたのかなって
だけど、これでよかったんだ
これで、よかったと、信じてるよ

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