あぁ、あぁ。
惚れていたからって
愛していたからって
それに飲み込まれて
容易く“一緒に…”などと
口にするんじゃなかったわ。
だって好きだから
大切だから
独りになんてできないじゃない。
なぜだかそこに
つけこまれたような
じわりじわりと粟立つような
そんな心持ちなのよ。
あぁ、あぁ。
このまま一人
逃げてやろうかしら。
あぁ、あぁ。
でも、もう手遅れね。
あなたの首は鮮やかな赤で染まっているし
わたしの胸には
何かを誇るようにキラキラと
揺らがずに立つ
銀のもの。
あぁ、あぁ。
あぁ。