裏路地をわざと避けて、青い様な白い様な大通りを行く。まるで俺、虫。気分的には鳥。所詮影極薄、その癖に幅だけ取る邪魔者。
振り向くと目を細めた同じ蟲、少しばかり見窄らしい。口元から零れ出てきたクエスチョンのマーク。意味不明だけれど少し解るような。
勘繰った様に、蟷螂は鳴く。頭をつついて水に落ちた時に、ぬるり、紐のようなてきた。
ここまで俺、無表情。
纏まりそうだった思考がまたバラけた。
一体俺は、何を持て余してるんだ?
蟲の群れ、雁首揃えて鳴く。とても大切に、重要に見える。暗い空き家横目に、虫飛び立つ。色覚異常きたしている。
「やめかけてた煙草に火をつけてしまう」
不可触世界、暗渠を口ずさむ。
軽いステップで心を蝕む。時間と夢で未来を塗りつぶす。蟲がまだついてくるので、手でぱっぱ、と祓うと去った。
未だに俺、無表情。
固まりそうだった足を無理に溶かした。
一体俺は、何を待ち構えてるんだ?
定まりそうだったピントをわざとずらした。
一体俺は、何を避けているんだ?
軽いステップで心を蝕む。時間と夢で未来を塗りつぶす。蟲がまだついてくるので、手でぱっぱ、と祓うと去った。
俺、無表情。