いつかこの心臓が止まる瞬間
何が自分に起こるのだろう
思考がゼロになるなんて
本当は信じたくないんだ
願わくば 君との思い出も持っていきたい
キラキラしたあの空の
向こうへ逝けると信じたい
苦しみなど味わいたくない
だからなのか でもなのか分からないが
私は死後の世界を信じている
君との思い出も 透明の空の正体も
きっとあの世の三途の川に
置いて行かなくてはならないのは
百も承知なのだけれど
無にはなりたくないから
いつか自分の存在が
忘れられる時が来てしまうのは
余りにも寂しいし辛いから
あの世にいる誰かが覚えていてくれたら
それでいい気がする
でも、もっと怖いのは
自覚せずに死んでしまう事
苦痛の中で 死んだ自覚を持てずに
うろつき廻ったりしたくない
例えば南海地震で
自分が瓦礫の中で死んだらとか
考えたくない したくない
ねぇ、死ぬのは嫌。
だけど、不老不死はもっと嫌。
そんな矛盾を抱える私は
新年の月と深夜の透明の空を眺めていた
すると新年の月は妖しく輝き
今日も開けた夢の世界への扉に向かって
矛盾を抱え迷う羊をそっと突き落とした