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手放して、生活

噛み砕けず、有耶無耶にして飲み込んだ。
薄い味付けのジュース、もう懲り懲りさ。
さり気のない男に、あの娘、落ちてった。
くどい味付けの苦渋、もう飽き飽きした。


拍子も音も旋律も全部、すっかり壊されちまったもんで、少年の俺の面影なんて少しも残らず風化したんだ。
話し続けるはアダルトチーム、やいやいと騒ぐはヤングチーム、何方にも所属したく無くて、浅く息吐いて一人になった。


「黙って」なんて言える訳もなくて
黙ってしまっている。


哀愁のメロディラインも、ふにゃふにゃになった信念も。「手放せるか?」と問われて思わず抱いていた腕に力が入る。
最終の電車逃して、今日も二駅分歩いて帰る。「手放せるぞ」と空に誓っても、この生活は終わりそうにない。



端っこの方で黙ってたって、真ん中に躍り出てみたって、息苦しいのは相変わらずで、呼吸すら儘ならないでいる。
見渡せる全て無駄に見えて、火を点けて燃やしたくもなるが、目を凝らせば見える大事なもんが、まだあるから俺は出来ずにいる。


「逆らってみたって無駄だ」なん言われて
信じ込んでしまっている


口にこそ出さないがここに記す。「これは所謂「反逆」では無く、ヤワな信念を突き通すためのパフォーマンスに過ぎない」と
好機廻ってこないまま今日も、くだらない日が落ちて夜になる。「手放せるか?」と問われ頷いた。そんな月夜の晩を夢見てる夜明け前。


漂うのも、口噤むのも、歌うのも、叫ぶのも、学ぶのも、全部無駄みたいで、彩りがねぇ。有るのは、じわり染みてくる不幸だけ。


SOS、飛ばしても助けは来なくて、助かった顔して生きているが、飢えと寂しさと脱力感で、瞬きも儘ならないでいる。
かなり痛んだ腕を持ち上げて、何とか普通の顔しているが、ふと気が付くと痛み増していて、苦痛に顔が歪んでいる。

まぁ、ヘラヘラした笑い顔よりも、幾らかマシだと思うが。


噛み砕けず、有耶無耶にして飲み込んだ。
薄い味付けのジュース、もう懲り懲りさ。
さり気のない男に、あの娘、落ちてった。
くどい味付けの苦渋、もう飽き飽きした。

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  • 雨のしずく。さん ありがとうございます!
    最近、詞の書き方を少し変えてみたのも事実です。一つの書き方に絞れないもので…^^*。
    これからも無理せず、色んな書き方で書いていきたいと思います。