四歳の頃
親は既にいなかった。
五歳の頃
生きるためにと銃を渡された。
六歳の頃
初めて人を殺め大人に褒められた。
七歳の頃
敵を殺めれば食料が貰える事を知った。
八歳の頃
三つ歳下の妹が大きな鞄を背負って大きな建物の中に入って行った。その後建物は大きな爆発音と真っ赤な炎に包まれた。
九歳の頃
白い肌の人が透明な水をくれた。砂の味も鉄の味もしない。何の味もしなかったが美味しかった。
十歳の頃
僕らの世界は地獄である事を知った。
十一歳の頃
僕に名前が無い事に気が付いた。
十二歳の頃
僕がこの世から消えた事に誰も気付かなかった。