0

乾燥

風、冷たく頬を撫でている。汚れきった心、赦してくれそうな歩道橋の上を歩く。始発がまだ出ない頃から、ゆらり。
乱文、ぶらりランブリングで纏める。解りきった振りをして、前の男、笑った。不意に苛立って、足で蹴飛ばした。
思い出して不快になり、今度は踏みつけてみたが。鼬ごっこになってさらに不快感は増した。赦せない過去と、それに似た何かを確実に抱いて俺は行かなくちゃ。
青春をまるで黒歴史の様に扱って。くしゃみのあと血の味がした。カラカラに枯れた俺に雨はついに到達しなかった。成立/不成立のアイダで揺れている。


改行の少ない文章で疲れてしまったが、目は自然と文を噛み砕き続けた。歪んだ暗さに憧れた一瞬を俺は逃さなかった。
傷つけあう人々を見た。慰め合う人々を見た。話し合う人々も殴り合う人々も見た。そんな街中を歩いていて、振り返っても何も無かった。もう一度前を向くと、目の前に男がいた。

「本当気付?過去過、正解、将来不安、御前来、解帰」
意味不明だったので避けて歩いた。しかし男は俺についてきた。

「本当気付?過去過、正解、将来不安、御前来、解帰」
少しずつ解ってくるのが嫌だったが、聞き取れる瞬間を待つ俺もいた。

「本当気付?過去過、正解、将来不安、御前来、解帰」
意味がやっと解った。男は俺の前に立った。不意に苛立って蹴っ飛ばしたら、男は砂になって崩れた。

「本当気付?過去過、正解、将来不安、御前来、解帰」
男の声が頭にこびり付いて、つい口走ってしまった。足元が、さっきの砂でざらついている。

(本当は気付いてるんだろ?過去の過ちも、正解も、将来の不安も、だからお前はここに来た、さぁ解ったらさっさと帰りな)

頭の中響いた。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。