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魔法

るなちゃん、起きなさい。遅れるわよ。
頭痛いから休む。
またぁ? 先週も休んだじゃないの。ああもうお母さん行くから。ごはん食べたらかたづけお願いね。

はぁ。
子どもが自分に似ていようが似ていまいが、自分が育てられたのと同じように子どもを育てる親がほとんどだ。甘やかされて育った親はやはり子どもを甘やかして育てるのだ。
あなただぁれ?
わたし、納豆の精です。なんだかお悩みのようね。
高校に入学して二か月になるのに、友だちができなくて。毎日ひとりでお昼ごはん食べるのがつらいの。
なんだ、そんなこと。まかせて。わたしが魔法でなんとかしてあげる。

るなちゃん、お弁当いっしょに食べない?
あ、うん。
るなちゃんお弁当食べよー。
うん。
るなちゃん、こっちで食べよー。

どうだった?
……楽しかった。でも、もう魔法といてほしい。なんか、こういうの、違うかなって。
大丈夫。魔法なんてかけてないから。
えっ!?
みんなが声をかけてきたのはあなたが自然体で振る舞えたから。つまりあなたの実力よ。じゃあね。
……ちょっと、あんた……待ちなさいよ。
はい?
よくも騙してくれたわね。
え? え? え?
これでもくらえ! 必殺……女子高生ビーム!
うっ……やられ、た……。

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