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無題

間に合わなかった桜の代わりに
空に舞う紙吹雪が
貴女を攫ってしまった

すっと背筋を伸ばして
折り目正しくセーラーを着こなす
貴女の立ち姿が好きでした

並んだ帰り道
解かれる髪から匂い立つ
茉莉花の香りが好きでした

好きでした
貴女をお慕いしておりました
けれど貴女は行ってしまった

貴女の眼前には果てない世界
見るもの全て 輝かしい
私がお傍にいなくとも

花香のスカーフだけを残して
しゃんと伸ばした背が消えるまで
顧みて下さらなかった 私のことなど

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