随分遠くまで来ましたね
うん
オトを探しに、国の端っこまで来ちゃった
何言ってんですか、散歩したかっただけなんでしょ?
よくわかったね
あの後どうなったのかというと、女の子は男の子の腕を掴んで王国を案内したのでした。
男の子の正体はわかりませんが、一緒に歩くことが何より重要に感じられました。
なんだかんだ言って、私も端っこまで来たのはちっちゃい頃ぶりなんだよ
女の子は笑いました。
王国の周りは鬱蒼とした森が囲っています。
ねえ、オト
オトは外から来たんだよね
はい
この森の向こうには、何があるんだろう
男の子は、女の子を悲しそうな目で眺めました。
大したものはありませんよ
こんなにいい国に、僕は来たことがありません
嬉しいなあ
女の子は、笑って、男の子の手首を掴みました。
オト、
私、ちょっとわかったかもしれない