飛んでいけ、紙ヒコーキ。 どこまでも凍りついた風にのれ。 つぶらな目のあの子を載せたまま。 ぼくときみ、一度限りの夜間飛行。 きらり、とうめいな光を浴びて。 微笑んでみせたきみの最後のありがとう、 この胸に抱えた膝のぬくもり、 届け、遠い朝陽まで! 目を瞑ったまま、顔に冷たい雲のなか。 瞼を照らす朝焼けはまだ遠く、 確かなものはこの翼だけ。 云わなかったサヨナラは、もう ぼくは飛ぶのをやめないよ。 いつまでも、 ("まんまる"に捧ぐ。)