0

雲海

雲を海に見立てたなら
僕らの住む街は海の底

月の灯も届かぬ
それはそれは静かな静かな
深い海の空の下

波打ってるであろう水面が
意味もなく歩く僕のビニール傘に
優しくようしゃなくガラス玉を降り注ぐ


月を真似する電信柱のしたで
傘を閉じて止まってみた

涙を流せない僕の代わりに
頬を濡らしてくれている錯覚を見た

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。