どぐうは見ている 田畑を走り回る僕達を 腰を曲げて野良仕事をしている老人を 子どもを迎えに行く親を 産声をあげた新たな生命を どぐうは見ていた 歴史の変革を 戦地へ赴く人々を 時代とともに 汗も流さず 涙も流さず 良い日も悪い日も 顔色一つ変えず ただただじっと見ているだけ 世界の全てを映す ビデオカメラの映像のように どぐうは見つめている