雨上がりの生ぬるい空気
雨上がりのなんとなくぬかるんだ校庭
雨上がりのなんだか重たい頭
それらが僕は嫌いだから
雨も嫌いだった。
でも、ある日
僕の大嫌いな雨が降っている日、
電車の車窓から見えた丘の上で
両手を広げて、
雨を纏って踊る君がいた。
そのとき、偶然にも日が差してきて。
キラキラとした雨粒を纏い踊る君は
なんだかとても綺麗に見えた。
たった一瞬のはずの時間が
ぐっと引き伸ばされて。
君と目が合った気がした。
君は微笑んでいた。
電車の速度と
同じ速度で過ぎ去っていく窓の外の景色
と共に
君の姿は遥か遠くへ過ぎ去っていった。
首を精一杯伸ばしてみても
君の姿はもう見えなくて。
ただ、綺麗だったなぁって思うんだ。
雨の日になる度に
君を探している僕は
気がついたら雨までも好きになっていた