"朝顔が朝にしか咲かない理由、知ってる?"
"それはね、夏はお昼になるにつれて気温が高くなる、つまり、気温が上がるにつれて、朝顔の花びらに含まれる水蒸気が蒸発しちゃうからなんだって!だからお昼までにはしぼんじゃうんだよ!知らなかったでしょ!"
って得意げに、うれしそうに話す君。
"うん、初めて知った"
朝にしか咲かない理由なんてほんとは知ってたけど、僕はそれを知らないふりしてそう返した。
知ってたよ、って返そうか迷ったけど
その瞬間にしか見れない花を、
朝顔みたいな君の笑顔を
見てみたかったんだ、隣で。
雨降る日の朝顔の前で
君を、ひとりじめ。