「じゃあ、行ってきます。」
「場所は大丈夫ですか?」
「頭に入っています。迷ったら戻ってくるね。」
おどけたように言う。こんな風に言うこともできるのだ。チャールズはちょっと苦笑する。
「では、いってらっしゃい。
……覚えていますか、やるべきこと。」
瑛瑠は姿勢を正す。
「1つ、魔力持ちを見つけること。2つ、人間に馴染むこと。」
「よろしい。……頑張ってください。」
「ん、頑張ります。」
二人は微笑み合う。
「行ってくるね。」
玄関に手をかける。
「あ、お嬢さま。」
「ん?」
振り向いた瑛瑠。
「制服、お似合いです。」
瑛瑠は一瞬、照れた様子を見せ、
「ありがと。」
柔らかい蜂蜜色の髪を揺らした。
PS;ここまでを、前夜祭編として締めくくります。何回かは 前夜祭どころか祭当日の朝ですが、大目にみてやってください。笑
次は学校生活です。ぜひ見てください。
そして、関西地区のみなさん。
怪我がなく 無事であることを、心から祈っています。