ピエロが僕に言う
「君の涙を流せるところが羨ましい
俺はいつもどんなときもおどけてないといけないからさ悲しみなんて忘れたよ」
空中ブランコ担当が僕に言う
「君の怖がる心が羨ましい
私はなんかそういうのは慣れちゃったからさ」
ライオンと象が僕に言う
「ガオガオ
パオーン」
うんうん
ごめんちょっと何言ってるかわからない
調教師が僕に言う
「君の羨ましいところ?そんなのあるわけ無いだろう
だって君は"普通"なんだから。動物と心を通わせることもできないだろう?それにジャグリングもできない。何なら高いとこだって苦手じゃないか
ごめんごめん冗談だよ。本当は君の自由が羨ましい。君の今からなんにだってなれるその自由の可能性が羨ましいよ」
最後にオーナーが僕に言う
「君は普通なんかじゃないさ。変わり者の私らからすれば君は特別でしょうがない。君という存在こそこの世で一番強い個性だよ」