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LOST MEMORIES ⅡⅩⅥ

応えあぐねていると、
「高校。」
と返ってくる。チャールズがよくわからないことを言うから、普通の質問にさえおかしな反応をしてしまうではないか。
チャールズを心の中で睨み、先生に応える。
「はい、楽しそうなクラスだと思いました。」
「そうか。」
初めて先生が笑うのを見た。
この先生が好かれていることが、なんとなくわかるような気がした。
「いい奴らばかりだから、すぐ馴染めるさ。
じゃあ、気を付けて帰れよ。」
「はい。また明日、先生。」
大人とは。先生とは。学校とは。
鏑木先生とは。
また明日,と、そう言ってしまった。また明日も自分は来ると、みんなと会うと。
自然に出てきたその言葉に、何より自分が驚いている。
そして、今日のクラスメートと先生のやりとりを思い出す。出来ないと思っていたこと。もう少し時間がたてば、もしかするともしかするかもしれない。
敬服すべきは鏑木先生の人柄なのだろう。難しいこの年齢に対応できるだけの力量が、彼にはあるのだと瑛瑠は思う。
クラスには、まだ数人残っていた。
そのうちの、瑛瑠の近くの席で話している女の子2人に声をかけてみた。

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