声の主は鏑木先生。 「は、はい!」 手招きをしている。 手をかけた鞄を置き、先生のもとへ。一体何だろう。 「これ、家の人に。」 家の人に。渡せ、ということだろうか。 これ、といって渡されたのは封筒。 「わかりました。」 ありがとうございますと伝え戻ろうとすると、呼び止められた。 「慣れそうか?」 慣れそう、とは。 『慣れが早いですね。』 チャールズの声がよみがえる。