全ての食器をさげ終え、もう一度いすに座ると瑛瑠は聞く。チャールズは慣れた手つきでお茶の準備をしている。ティーポッドにお湯を入れると、優しい香りが漂ってきた。
「改めて来た、高等部についての説明ですね。」
たとえ嘘だとしても、ここまで自然に振る舞うようなことは教えてくれない。そろそろ瑛瑠も学んだ。
だから、今は目の前のことだけ見つめることにする。
「じゃあ、私から報告するね。
今日の指令は2つ。魔力持ちを見つけることと、人間に馴染むこと。
後者は思っていたよりも平気みたい。私も人間も、ほとんど変わらないということを知った。いいえ、まったくといっていいほど変わりない。だからこそ、前者は相当難しいのだとわかった。ほぼ除外していい人たちを見つけるのは楽だったのだけれど、確信をもって魔力持ちだと言えるのはひとりだけ。……正直、侮っていた。」