口を開かないのを見て、そういえばと瑛瑠が言う。
「明日、委員を決めるみたいなの。制限はある?」
それに対してはこう答える。
「ありませんよ。
ただし、人間に正体をバレるような真似だけはしないでくださいね。」
気味悪がられるから、だろうか。瑛瑠は、魔女狩りの歴史を思い出す。人間が存在すると知った今、伝説だと思っていたあの話も、実話なのかもしれないと思ってしまう。
「一応、理由を聞かせて。」
覚悟が変わってくるのだ。
チャールズはひとつ息をつく。
「面白がられるからです。」
一時停止。思っていたのと違う。
「気味悪がられるからじゃないの?」
「このご時世人間たちは、彼らのいう超常現象とやらに寛容ですからね。気味悪がられるというよりは、もてはやされると思いますよ、魔法なんか使っては。」
やけに吐き捨てるように言う。
「変にまわりを刺激させてもいけませんしね。」
含みを感じたのは気のせいだろうか。