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LOST MEMORIES ⅣⅩⅤ

上目遣い炸裂。
チャールズはたいそう嫌な顔をして、人差し指で瑛瑠の額をついた。
思いの外 力が強かったのか、瑛瑠は軽くのけぞり、額を押さえる。
「何するの!」
「お嬢さま。」
声は氷点下。
「誰彼構わずそういうことをするんじゃありません。」
「ええ!?」
「その顔で言われちゃ、誰でも絆されてしまいますからね。」
そういいながら、まったく,とため息をつく。
「あ、幸せが逃げる。」
「揚げ足とるんじゃありません。」
くすくすと笑う彼女に苦笑しながら、口を開いた。
「不安、ですか?」
そう尋ねるチャールズの方が不安そうだ。
瑛瑠は試すように碧い瞳を覗きこんだ。
「そう見える?」
困った顔をするチャールズ。魔法使いだからといって、心が読めるわけではない。
「……わかりません。」
瑛瑠は優しく微笑んだ。
「思っていたほどじゃないの。
明日も、楽しみ。楽しいと思わなきゃ、損だから。」
チャールズは少し固まる。 チャールズの知っている瑛瑠は、もっとずっと幼かったはずだから。

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