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LOST MEMORIES ⅤⅩⅠ

「ですから、お嬢さまは当初の目的を遂行するだけで良いのです。
人間界の視察と情報共有。」
軌道修正。名目はイニシエーションである。
「予想はしていましたが、ここまで話すことになるとは。」
ひとつ息をつく。
瑛瑠は冷めきったハーブティーに口をつけた。
「何も説明してくれないからよ。」
入れ直しましょうか,というチャールズの言葉に首を横に振って応え、言い訳するように言った。
「まだ、何かある?」
残りを飲み干して、瑛瑠は尋ねた。
「いえ、明日の確認くらいでしたよ。夕食の時にしようと思っていたのですが、どうしますか?一度、休憩を入れます?」
瑛瑠は横に首を振る。
休憩を入れたからといって何をするわけでもない。だとしたら、そのままの頭で話を聞いたほうが効率がいいというものだ。
「聞かせて。」
チャールズは頷いた。
「それでは、明日の確認をします。引き続き、魔力持ちを探すことと人間に馴染むことに重きをおいてください。
それと平行して、当初の目的も、少しずつ触れていきましょう。しかし、とりあえずは情報共有については考えなくても良いです。魔力持ちを見つけなければ始まりませんし、相手を見定めて共有者は選ぶべきですから。」
チャールズは瑛瑠を見つめる。
「それと同時に、お嬢さまも相手から見定められているということを忘れないでください。」

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