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LOST MEMORIES ⅤⅩⅡ

「ヴァンパイアの彼が優秀だということを、あれだけのやりとりで知らしめられましたよね?
評価において、性格や過程は対象外。実力を相手に見せておくに越したことはありません。」
黙って聞く瑛瑠に、チャールズは少し表情を和らげた。
「お嬢さまは、私が見込んだちゃんとした力はあります。そこに関してはあまり気負わないでくださいね。」
また、そういう言い方をする。
「共有者は考えなくても良いですが、視察についてお話ししますね。」
ようやく、こちらへ送り込まれた表面上の1個目の目的だ。
チャールズは表情を変えずに言う。
「お嬢さま、"視察"の意味とは何ですか。」
不意討ちすぎる。が、瑛瑠は少し考えるようにしてから答えた。
「実状を知るために実際にその場に行くこと。」
付け加えてチャールズが言う。
「何らかの判断を下す目的で。」
何らかの、とは。
「ヒントはこれくらいですかね。」
優しく微笑んだ。
「イニシエーションはお嬢さまのものですから、采配はお任せしますよ。」

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