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LOST MEMORIES ⅦⅩ

二時限目だけでは決まりきらず、10分休憩の後再開ということになった。
今はその休憩時間。
黒板の前にいた望が戻ってきた。
「おめでとうございます。有言実行、すごいですね。」
微笑むと、望は嬉しそうな表情を見せた。
「ありがとう、頑張るよ。」
そうして会話を続けていたとき、明るい声がかかる。
「いんちょー、これ見てくれる?」
歌名だ。
呼ばれた望は、歌名の持ってきた紙を見る。クラスの何かだろう。しばらく二人を眺めていると、どうやら解決したようで、歌名はその紙を持ち直す。
「OK!ありがと。」
そういった後、瑛瑠を向く。
「瑛瑠ちゃん、お話の邪魔してごめんね。」
ウインクをして去っていった。何らかの含みがあるようにも思えたが、この勘は当たるだろうか。
そして、またもや名前を覚えられていた。自己紹介は確かにしたけれど。
瑛瑠が歌名の名前を覚えていたのは、早い名字で、何より副委員長だったから。
「そういえば、伊藤さんも高入りでしたよね?」
そこでチャイムが鳴る。
望は立ち上がって答えた。
「うん、そうだったね。」

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