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LOST MEMORIES ⅦⅩⅢ

我ながら良い仮説だと思う。人間界というなら、こんな狭い範囲に自分たちを送り込む意味がわからない。
ただ、そうしてまた立ち止まる。この地域とは、どこからどこまでの範囲をいうのだろうか。隣の学校にも同種がいるなんて言われてはたまったものじゃない。
速まる鼓動を抑えたがるように言い聞かせる。焦るな、祝 瑛瑠。
ゆっくりと深呼吸をする。どうしてここまで焦って考えているのだろう。そう思うけれど、それはわからないものに操られている恐怖なんだろうと思う。
やはり、共有者が欲しい。一緒に考えてくれる人。
霧 英人の顔がちらつく。あの漆黒の瞳。正体が割れているのは彼だけ。しかし、思いきりがつかない。
「瑛瑠さん?」

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