アタシ、15歳。
好きな人は、出来たことはない。
だから、人を好きになる感覚。
つまり、「恋」を知らない平凡女子。
-4月6日。高校入学。
私は、県外の高校へ入学した。
この高校は、中庭の大きな桜の木が有名だ。
入学式とHRが終わって早々、見に行った。
桜の花びらが優雅に舞い散る。
「わぁ…きれい…」
しばらく見上げていると、
「桜、髪についてるよ」
という声と共に、誰かの手が私の髪に触れた。
振り向くと、若い男の人。
先生だ。
「新入生か。遅くならないうちに帰りなよ」
そう言い、笑いながら校舎の方へ行ってしまった。
その笑った顔に、心を奪われた。
風に吹かれ、触れられた髪が頬に触れる。
-キュ…。
胸の音が耳にこだまする。
「これが-…。」
澄んだ空に、桜舞う。
春風のなか、アタシは、
教師に、初恋を捧げます。
ハニーワークスの「花に赤い糸」をBGMにして読んでみてください。