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LOST MEMORIES ⅧⅩⅠ

今思うと、鏑木先生は私がこうなることを見越していたのかしら。
そう思わずにいられない瑛瑠は、頭痛に頭を悩ませていた。授業が始まった日は、まだ大丈夫だった。
完全に体調不良と名付けられるほど痛みが顕在化してきたのは、今日の、その授業2日目。変わったことは特にない。家でも学校でも。授業自体も、言葉や内容は人間界と魔界も変わることはないようだった。チャールズ曰く、世界は魔法で覆われていますから。そう言ったチャールズの飄々とした態度を思い出す。
瑛瑠が知る限り、魔力は攻防のみだ。盾か矛にしかなり得ない。ここの図書室に来てわかったのだが、人間の考えている魔法とやらは、やけに夢物語だった。魔法でなんでも出来たら、この世に魔法使い以外いらないのでは,そう思うほどに。
実際そんなことはできない。しかしそれでもチャールズが魔法で覆われているといったのは、そういったことを私が知っているかという品定めの意でもあったのだろうと瑛瑠は思う。事実瑛瑠は見つけたし、本当は違うということにも気付いている。パラレルワールド的なものなのだろうと言い聞かせるに留まった。

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