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LOST MEMORIES ⅧⅩⅡ

昼食はチャールズがお弁当なるものを持たせてくれているが、生憎食欲もなかった。
最後の授業前、毎度のごとく望が振り返ってくる。
「瑛瑠さん、大丈夫?今日本当に具合悪そうだよ。」
こうして何度も心配してくれる望。保健室いこうか?の問いかけに、今日何回断っただろう。
「明日明後日休みですし、大丈夫です。」
正直、限界だった。しかし、5日目にして保健室に行けようか。風邪なんかに負けてはいられない。
「今日はさすがに図書室はなしですね……」
あれから連日通っていた。とりあえず、地図を頭に入れておこうと思ったのだ。本当はもっと調べたかったのだが、望がついてきていた。変に思われないようにということを優先して、捗らなかった。ただでさえ質問の意図を取り違える自分に、不自然に思われるなと言うチャールズ。図書室に行くなんて言ったら、体調が悪いことを理由に望は確実についてくるだろう。
「ぼく、家まで送っていくよ。」
おっと、図書室を飛び越えてきた。
確かにひとりよりは、何かあったときのために二人でいる方が心強いけれど、迷惑になってしまう。答えられずにいると、明るい声。
「いんちょー、今日残れない?」
歌名だ。

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