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LOST MEMORIES ⅧⅩⅢ

望が、一瞬顔をしかめたように見えた。
瑛瑠のまばたきのあとは普通だったから、見間違いだったのだろう。
「さっき先生に捕まっちゃってさー、」
委員会の仕事だろう。
いつかのように瑛瑠は二人を眺めている。歌名の笑顔が眩しいと、今日もまた思う。
話に終止符がついたのか、望が振り返った。
「ごめんね、帰り送れなくなっちゃった。」
心配そうに、申し訳なさそうに言う望。
瑛瑠は、増してきた痛みに我慢して微笑む。
「ひとりで大丈夫ですよ。」
それでもまだ心配そうだ。自分が今どんな顔をしているのかわからなくなる。
「ごめん、歌名がいっぱい仕事もらってきちゃったみたいで、」

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