扉を開けたら、 咽るくらいに蒸し暑い、のしかかるような熱気と、 軽快に羽を震わせる蝉たちの鳴き声が、 爽やかな青白のグラデーションに混ざり合う。 一歩踏み出せば、混沌の中に引き込まれてしまいそうで。 でも、そのうだるような夏に体を預けてしまいたくて。 立ち止まったら、このまま時が止まって。 同じような白昼夢を、狂ったように見続けることだろう。